通販や新聞でよく見かける集音器。価格が約1〜2万円であることから、補聴器も同程度の価格と思われている方が多くいらっしゃいます。
しかし、補聴器は「管理医療機器」に位置付けられており、耳かけ型補聴器であれば一般的なもので約10万円〜です。
なぜここまで価格が違うのでしょうか?補聴器にあって集音器にないもの。それは「調整機能」です。
集音器は、いわば拡声器のようなもので、ただ単に音を大きくします。一方、補聴器は周波数ごとの調整が可能であり、低い音を全く増幅せずに高い音のみを増幅する、といった調整も可能。圧縮、雑音抑制、衝撃音抑制、ハウリングキャンセラー等の調整機能があることも特徴です。
実際に耳鼻咽喉科で聴力検査を行うと、聴力の程度は人それぞれ異なることが分かるでしょう。低い音(or高い音)が聴こえにくくなっている、全周波数で聴こえが悪くなっている、ある1点の周波数(例えば4000Hzのみ)の聴こえが悪くなっているなど、聴こえにくさは千差万別です。
このような、人それぞれ違う聴力に対応できるのが補聴器なのです。
上記のような”補聴器の機能”を発揮するためには、一般市販で約10万円が必要となります。高価格帯のものになると、片耳30万円以上の補聴器もありますが、「高価格になれば聴こえがさらに改善される」ということではありません。
聴力に対する適切な調整が重要であり、その調整は約10万円の補聴器であれば十分可能です。
一定以上聴力が悪くなると、お住まいの市町村から補聴器を支給してもらえる制度もありますが、一般市販で補聴器を購入する場合は、10万円程度(片耳)と考えていただければ問題ないでしょう。